2011年7月31日日曜日

気づき (平成23年7月)

やっと夏が来るぞって気候になってきましたね!
旭川もなんだかワクワクする街になって行けばいいなと思います。
動物園にも市民や近郊の人の足が戻ってきて
動物園の原点を改めて考えたりしています。

そんな中、昨年から取り組んでいる「なるほどガイド」。
「もぐもぐタイム」とは視点を変えて、
日頃職員が考えていることや取り組んでいることをお話しするものです。

ただ知名度が今ひとつで
苦戦(予定時刻にお客さんがいない)することが多いのも事実です…。
継続は力なりです。めげずに頑張っていこう!と励まし合っています。

そんな中自分も時間が許せばオランウータンの前で頑張ってます。
雨の日も風の日も…。
けっこう頻繁にオランウータンたちに会うことになるのですが、
機嫌のいい日もあれば、
なにが気にくわないのかいらついている日もあります。

通り過ぎるように姿だけを見ていると変化がないように見えますが、
彼らにも日常の喜怒哀楽があるのだなと感じます。
ジャックとリアン・モリト母子は別々に生活をしていています。
一日おきに午後は屋外放飼場で暮らしているので、
一日おきにジャックと関わりながらガイドをしています。

オランウータンは考えてから行動する動物です。
室内展示場を造った時にも、
ジャックならきっと気づくだろうなと心配していたところは
ことごとく気づかれ破壊されました。
また気が遠くなる程観察し続け、
考え続けるとんでもない能力を秘めています。

屋外放飼場で空中散歩をすると、
ヒトは一斉にぽかんと口を開け見上げ、
自分を見つめる不思議な生き物。
高いところから手を叩くと、
地面にいるヒトは一斉に自分のまねをするように手を叩く…
ジャックは彼なりにヒトの習性を見破っています。

僕もジャックの習性を観察しています。
ちょっとしたエサを与えながら、
彼らの故郷の現状の話をするのですが、
話に夢中になりエサを与える間隔が長くなると
イライラしてチューチューと口を鳴らすのですが、
エサをくれではなく自己ピーアールをする時があることに気がつきました。

僕に視線が集中することがおもしろくないかのように、
自分の頭を叩きフランジ(ほっぺのヒダ)をプルンプルンと揺すります。
話を聞いていた人たちの目線はジャックに釘付けです。
笑い声が響きます。
いらついている時とは明らかに異なる音を発したりもします。
悔しいですが僕の負けです。

さらに僕は気がつきました。
このような行動をするのは
決まって若い女の子(ヒト)がたくさんいる時なのです。
無邪気な甲高い笑い声、確かに僕も心地いいのですが…
ジャック恐るべし、の巻きでした。