2010年9月30日木曜日

共存できる未来へ (平成22年9月)

お盆過ぎだというのに残暑というかいつまで夏が続くのか?
といった状態です。
やはり気候変動を強く意識させる夏でした。
秋に向かってうれしい忙しさが増えてきました。

地元旭川の永山新川でハクチョウなど水鳥への餌付けに関すること、
日本を代表する動物園の立場から取り組んでいる
ボルネオへの恩返しプロジェクトに関すること、
具体的なかたちとして成果が実を結び始めます。

どちらもこれから私たちがどのように地球上で暮らしていくのかを考え
行動するきっかけになってくれることを期待しています。

もう一つ、北海道の未来を考える時、
エゾシカの個体数増加の問題は最重要課題です。
北海道庁も本腰を入れ始めましたが、
エゾシカと自然環境とヒトとの共存のツールとして
現在は鉄砲と柵しかありません。

第3のツールとしてイヌの可能性を探る活動に
旭山動物園も深く関わりを持っています。
イヌの能力とエゾシカの関係を探る第2回目の実験を秋にする予定です。
現在実用の可能性を探っているのはボーダーコリーです。
素晴らしい能力を持つイヌです。

旭山動物園のこども牧場にもいるのでご存じの方も多いかも知れません。
ディスクを投げると空中でキャッチするのですが、
ボーダーコリーは先回りをしてキャッチしようとします。
牧羊犬としての血です。
イヌの犬種は見た目のためではなく、
ヒトが期待する役割によって作り出されたことを実感します。

みなさんんもイヌを飼っていたら
自分のイヌがどのような目的で作り出されたのかを
調べてみたらどうでしょうか?
もしかしたら、どうしてこんなことができないの?
どうしてこんなことをするの?
とイライラしていたことがそうだったんだ!
と理解してあげられるかも知れません。

旭川市は動物愛護センターの設立に向けて準備を進めています。
ヒトとペット(伴侶動物)との理想の関係を目指すことになります。
この中で飼育を放棄され安楽殺ぜざるを得ない
飼い犬の問題は避けてとおれません。
この問題の原点は大多数が
飼い主側のイヌに対する理解不足が原因です。
イヌの側は常に飼い主を理解しようとし、関係を築こうとしています。

ヒト、家畜、ペット、野生動物
すべての命が共存できる未来にしたいと強く思います。
こども牧場にいるゴールデンレトリーバー「チャンティ」(ゲンちゃん画伯)