2000年9月15日金曜日

ぺんぎん館!いよいよオープンだ(平成12年秋)

さて、ぺんぎん館の完成もいよいよカウントダウンです。
9月10日のオープンを目指して
建築業者の方もみんな頑張ってくれています。
きっとこの号が出る頃には、トンネルプールの水張り試験をしています。
試験とは言っても、一発勝負なので漏水はあり得ないのです。
すべてがまったなしなのです。

8月31日完成。
9月1日第一陣のペンギン引っ越し、第二陣のペンギン入園。
9月4日第二陣のペンギン引っ越し。
9月10日までにぺんぎん館に馴らし、
僕たちも潜水してのペンギンガイドに馴れるという、
半分やけくそなだけど大丈夫なスケジュールです。

7月19日に8羽のジェンツーペンギンを
名古屋港水族館から購入しました。
夏場の動物輸送はめったに行わないのですが、
オープンに間に合わせたいことやいろんな事情でこの日になりました。
あらかじめ輸送箱とクーラーボックス用の保冷材を先方に送りました。
実験で気温30℃で箱の底の温度が24℃と高かったので、
さらに保冷材を送りました。
何せ、生まれも育ちも0℃のペンギンたちです。

7月18日ペンギン受け取りのため、千歳から名古屋に向かいました。
名古屋に着いた瞬間立ちくらみがしました。
ただの暑さじゃないのです。
ここはサウナかと思っちゃいました。
名古屋港水族館に着く頃にはへとへとです。
輸送の打ち合わせなどを行い増強した保冷材の効果を実験しました。
夕方気温34℃保冷材を底に引き詰め、壁と網の天井にも付けました。
箱の底が17℃、上の方でも23℃とこれならOKの温度になりました。
その日の晩はエアコンが寒いくらい効いたホテルで益々具合が悪くなり、
有料チャンネルを見る元気もなく寝ました。

19日快晴、予想最高気温36℃。
朝8時からペンギンの箱取り開始。
9時に保冷車で空港に向かいました。
運転手さんが名古屋の夏は最悪だ、住む所じゃないよ、と笑っていたけど…
ほんと10日も居たら入院だと思いました。

飛行機は11時25分発旭川行きのANAです。
通常貨物は出発の1時間前に引き渡すのですが、
10時40分まで保冷車で待機させてくれました。
さらに万が一のために用意した氷の袋も積めるようにと
急きょコンテナにビニールを敷いてくれました。
10時50分コンテナに収容、
ペンギンに異常がないのを確認し急いで搭乗手続きをしました。
ジェンツーペンギンは、
現在世界中で名古屋港水族館からしか入手出来ません。
しかも好意で譲り受けたペンギンたちです。
旭川でも到着後一番で降ろしてくれました。
無事到着。みんな元気です。
オープン前の最大の山場を無事超えました。

ただ、一つとても気になることを聞いてきました。
水中で作業してると、
ペンギンが耳や髪の毛や機材を突っついたり引っ張ったりするから
気をつけなさいと言われました。
一度おでこにくちばしから体当たりされ
気絶しそうになったとも言っていました。
水中で給餌しながらのガイド・・・
オープンの日「飼育係、水中で血まみれ」
なんてならないことを祈らずにはいれません。
僕はオープンの日は潜らないゾっと!

ジェンツーペンギン

画:ゲンちゃん