2008年2月26日火曜日

モモお姉ちゃんになる!(平成20年2月)

昨年7月末にオランウータンのモモに弟(モリト)が誕生しました。
しばらくは母親のリアンはモリトにつきっきりで,
モモは明らかにやきもちを焼いて,わざとリアンを困らせたり,
怒らせたりする行動を取ったりしていました。
秋に入りモモも落ち着いてきてひとり遊びの時間が長くなってきました。

冬季開園に入り,リアンはモモの新たな教育を始めました。
弟の面倒を見させ始めたのです。
モリトをモモに預けるのです。
モモはたとえようのない満足そうな顔でモリトを受け取ります。
モリトがモモのお腹にしがみついています。
モモは片手を添えて,移動する時は膝を曲げて
モリトが落ちないように気を配っています。
リアンは横目で姉弟の様子を観察しています。
モモはまだまだ子供です。
子守に飽きるとモリトをリアンに返しに行きます。
リアンは「もう少し面度を見なさい」とモモが近寄ってくると逃げていきます。
まるで鬼ごっこです。
「もういいよ」となるとモリトが不安にならないようにそっと手を取り,
リアンに掴まらせ母親に返します。
僕が見に行くとモモはリアンの陰に隠れてしまうので(骨折で治療したから)
なかなか普段の生活が見られなくて残念なのですが…
 
最近はモモの遊び方が大胆になっているようです。
あろう事か高いところからハンモックに飛び降りる離れ業が目撃されています。
さらに姉弟での遊びも過激なものが目撃されています。
モモが垂れ下がっているロープの端を
口でくわえて手足を離してぶら下がるのです。
そしてくるくると回ります。
さらに驚くべきことにモリトがまねをしているというのです。
モリトは好奇心旺盛で,たぶんお姉ちゃんのまねがしたいのでしょう。
かなり危なっかしいと思えるのですが,
リアンが許しているのだから大丈夫なのでしょう,
と考えるようにしています。

僕が見たのはモリトが高いところでひとり鉄棒に掴まって外を眺めているところで,
それでもビックリしたのですが,
やはり二人目の子育ては大胆というかルーズになるのは
ヒトと同じなのかも知れませんね。

春になり屋外の放飼場に出たら…
きっとモモがモリトを抱えて空中散歩をする気がします。
それだけは「リアンやめさせてね」と言いたくなる光景でしょう。

モモは後2年もすると独り立ちをします。
お姉ちゃんとして過ごす数年間は,いい母親になるための大切な時間です。

オランウータンの親子(ゲンちゃん画伯)