2002年8月30日金曜日

飼育係とは?(平成14年夏)

今年もはや7月ですね。
皆さんは今年の目標の達成のめどは立ちましたか?

動物園では冬期開園が終わり、
4月の閉園期間中に各人が獣舎の模様替えや
解説板作りなどたくさんの目標を立て、
みんなで協力して4月末の夏期開園に向けて突っ走ります。
4月は全員休みなしで働きます。
正直、この時期エネルギーを使い果たして、
数ヶ月は惰性で過ぎていきそうになります。

当然やりきれなかったこともあるし、
一年に一度しかない繁殖期を迎える動物たちもたくさんいます。
何もしなくても繁殖するわけではありませんから、
後悔しないように準備もしなければいけません。
行事も昨年の結果をふまえてよりよいものにしていかなければなりません。

今は、北海道内の動物園・水族館の飼育係が集まる飼育研究会の準備と
新たなホッキョクグマを迎え入れる準備に精力を集中しています。
8月はサマースクールと親子動物教室、
9月はほっきょくぐま館オープンと続きます。
はたして今年も頑張ったなと年を越せるのか、後悔ばかりがたまるのか、
まぁそうならないように頑張るしかないですね。

そういえば、今年度から「ごはんの時間」を「もぐもぐタイム」と改めました。
数ヶ月前にこのコーナーで
「今日のごはんに時間はありません。」の看板の前で、
「今日はごはんあたらないんだ、かわいそうだね。」と漏らす人が多くて、
何かいい呼び方はないですかね、と書きました。
たくさんのご意見をいただき、その中に「もぐもぐタイム」がありました。
「これだ!」ということで採用させていただきました。
ありがとうございました。

話を戻して、年に1度の繁殖期、特に地元の鳥たち、
野外ならば当たり前に繁殖しているのですが、
飼育下ではとても難しいことが多いです。

ただ1年間生かしておく、飼うだけならば、
今の僕たちにはそれほど難しいことではありません。
でも限られた条件の中で繁殖という一番重要な営みをさせてこそ、
本当の「飼育」だと思います。うちはみんなよく頑張ってます。
一生懸命ならば失敗からもたくさんのヒントがあり、来年につながります。 



飼育係

画:ゲンちゃん