2001年3月30日金曜日

オランウータン舎の改修工事スタート(平成13年春)

オランウータン舎の改修工事がいよいよ始まりました。
8月19日にオープンする予定です。
それまでの間、オランウータンとラクダは見ることが出来なくなります。

現在の放飼場のオリの天井を抜いて、高さ15㍍の鉄塔を立て、
そこからロープを伝い、
オリで囲われていない空中放飼場に行くようになります。
見晴らしはいいし、さぞ気持ちがいいことでしょう。
前例のないアイデアを実現するのですが、
このウータン舎の成否は、
飼育下生まれとはいえウータンは高いところを怖がらない、
木から木に移動する時、両手両足を宙に浮かせて飛び移ることはしない、
水の中には好んでは入らない、これが必要条件です。
何事にも例外はあるけど、うちのリアンがそうでないと信じましょう。

そういえば、先日水中を胸まで水に浸かって歩くゴリラのテレビを見ましたが、
ゲゲッとびっくりしました。
ウータンもゴリラもチンパンジーも泳げないので極端に水を怖がります。
特にゴリラは絶対に水に入らないと言うのが定説です。
本州の動物園に行くと檻の替わりに
深い水堀を使っているところもあるのですが、
きっとその動物園の人は、僕どころじゃなくびっくりしたのではないでしょうか。
泳いだりしていなかったのでよかったけど、
泳げたら水堀を渡って逃げちゃいますよね。
当園の場合、空中放飼場の受け皿で水が張ってあって、
下に降りられたら困るからなのでまだいいのですけどね。

うちの場合、2番目の条件が脱走防止の要です。
リアンや昨年死亡した釧太郎を見ていると
天井から吊したロープにぶら下がり、
ぶらぶら揺れて、たまたまその先に壁があると
マンガのようにそのまま頭から壁に激突します。
機転をきかせてどこかに飛び移ると言うことは決してありません。
チンパンジーと比べると運動神経ゼロみたいです。
今、リアンの旦那を捜しているのですが、
まさかそのウータンが運動神経ありだったらどうしようと…
先のテレビを見ていてちょっと不安になりました。

獣舎を建て始めると、もしものことばかり考えて、
夢でうなされる日が続きます。


リアンの旦那さん、ジャック画:ゲンちゃん