暖かい日が続き,動物園の雪も解け始め, 旭山にも春の気配が漂ってきました。 動物たちも厳しい寒さから解放され, 暖かな日差しを体いっぱい浴びています。 私達も4月29日の開園に向けて準備におわれています。 動物園では皆さんに,ただ動物を見るだけではなく, 動物を通してもっと楽しんでもらえるような工夫を,いろいろこらしています。 その中で,それぞれ動物の前に設置してある看板に注目して下さい。 旭山動物園の看板は,職員が考えて作っています。 手書き看板はもちろん,既製の看板もそうです。 しかし,なかなか看板に,目を留める方は少ないのです・・。 特に,既製の備え付けてある看板は, 見向きもされないことが多いのです。 どうしたら,看板を見てもらえるのか, 見た看板の内容がどうしたら伝わるのか, これからに向けて,冬期開園中にいろいろと試みることにしてみました。 まず,トラの既製看板を見てもらいたく, トラのおりに直接手書きの看板 「トラのひみつ,じつはね,トラはね・・かんばんをみてみよう!」 を設置してみました。 すると,今まで通り過ぎるだけだった看板に, 立ち止まり,読む方が7倍にも増えました。 動物園には,多くの動物がいて, 様々な目的で動物を見に来られていると思います。 私達は,動物を見てもらい, その動物から伝えたいことがたくさんあります。 動物の獣舎の前に,ガイドをする職員が常にいればいいのですが, なかなかそうはいきません。 私達が,動物を通して皆さんに伝えたい気持ちを, ぎゅうっと看板にこめてあります。 何か一つでも,その動物のことを発見してもらったり, 知ってもらえれば,とてもうれしいのです。 皆さんが看板に目を向けるきっかけは, ほんのちょっとしたことなのかもしれません。 そのちょっとを工夫して,もっと楽しく動物を見てもらい, 動物のことを知ってもらえるように考えていきたいと思います。 もう一つ,アザラシのプールに, 手書きの看板と大きめの時計を設置しました。 「アザラシは,いったい何分息を止めていられるのでしょう?」 ぜひ,旭山動物園に来て,はかってみて下さい!! ※このあざらし館の時計はあざらし館建設時に撤去したので, 現在はありません。 | |||
この日記は旭川市の「市民広報」に「動物園からの手紙」として毎月掲載されているものの、ほぼ原文です。なにぶん、原文なので不適当表現や言いまわしがあると思いますが、お許しを・・・。番外編も要注目です。ゲンちゃん画伯が書いた絵も楽しみながら、読んでみて下さい。
2000年4月20日木曜日
動物園の看板(平成12年4月)
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