2000年4月20日木曜日

動物園の看板(平成12年4月)

暖かい日が続き,動物園の雪も解け始め,
旭山にも春の気配が漂ってきました。
動物たちも厳しい寒さから解放され,
暖かな日差しを体いっぱい浴びています。
私達も4月29日の開園に向けて準備におわれています。

動物園では皆さんに,ただ動物を見るだけではなく,
動物を通してもっと楽しんでもらえるような工夫を,いろいろこらしています。
その中で,それぞれ動物の前に設置してある看板に注目して下さい。

旭山動物園の看板は,職員が考えて作っています。
手書き看板はもちろん,既製の看板もそうです。
しかし,なかなか看板に,目を留める方は少ないのです・・。
特に,既製の備え付けてある看板は,
見向きもされないことが多いのです。

どうしたら,看板を見てもらえるのか,
見た看板の内容がどうしたら伝わるのか,
これからに向けて,冬期開園中にいろいろと試みることにしてみました。
まず,トラの既製看板を見てもらいたく,
トラのおりに直接手書きの看板
「トラのひみつ,じつはね,トラはね・・かんばんをみてみよう!」
を設置してみました。
すると,今まで通り過ぎるだけだった看板に,
立ち止まり,読む方が7倍にも増えました。

動物園には,多くの動物がいて,
様々な目的で動物を見に来られていると思います。
私達は,動物を見てもらい,
その動物から伝えたいことがたくさんあります。
動物の獣舎の前に,ガイドをする職員が常にいればいいのですが,
なかなかそうはいきません。
私達が,動物を通して皆さんに伝えたい気持ちを,
ぎゅうっと看板にこめてあります。
何か一つでも,その動物のことを発見してもらったり,
知ってもらえれば,とてもうれしいのです。

皆さんが看板に目を向けるきっかけは,
ほんのちょっとしたことなのかもしれません。
そのちょっとを工夫して,もっと楽しく動物を見てもらい,
動物のことを知ってもらえるように考えていきたいと思います。

もう一つ,アザラシのプールに,
手書きの看板と大きめの時計を設置しました。
「アザラシは,いったい何分息を止めていられるのでしょう?」

ぜひ,旭山動物園に来て,はかってみて下さい!!

※このあざらし館の時計はあざらし館建設時に撤去したので,
現在はありません。